相続の話をすると関係が壊れると思っていた心理

相続と人間関係

相続の話をしなければならないと分かっていても、その話題を切り出すことで家族の関係が壊れてしまうのではないか、という懸念を抱くことがある。

その懸念が強いと、話題を避け続けることになる。話さないことで、今の関係を守ろうとする。

相続で揉めた話を聞いたことがある

周囲で相続をめぐるトラブルを見聞きした経験があると、「自分の家族も同じようになるのではないか」という不安が生まれやすい。

テレビや雑誌で取り上げられる相続の話は、揉めたケースが多い。そうした情報に触れることで、相続は揉めるものだという印象が形成されることがある。

今の関係が良好であるほど怖い

現在の家族関係が良好な場合、その関係を失うことへの恐れが強くなることがある。今がうまくいっているからこそ、相続の話でそれが崩れることを避けたい。

「話さなければ、今のままでいられる」という考えが、話題を避ける理由になる。

お金の話は人を変えるという認識

「お金が絡むと人は変わる」という認識を持っていることがある。普段は穏やかな人でも、財産の話になると態度が変わる。そうした経験や伝聞が、相続の話への警戒心を生む。

その認識が強いと、相続の話を切り出すこと自体が、家族を変えてしまうきっかけになるように感じられる。

過去に家族間で揉めた経験

相続とは別の場面で、過去に家族間で意見が対立した経験があると、相続でも同じことが起きると予想しやすい。

かつての対立が完全に解消されていない場合、相続の話がその火種を再燃させるのではないか、という懸念がある。

話し合いの場が想像できない

相続について話し合う場面を具体的にイメージできないことがある。誰が何を言い出し、どう進むのか。その見通しが立たないと、話し合いそのものへの不安が大きくなる。

想像できない場面に踏み出すことへの抵抗が、話題を避ける理由になる。

自分の発言が引き金になることへの恐れ

自分が相続の話を切り出すことで、家族の関係が悪化するのではないか。その責任を負いたくないという気持ちがある。

「自分が言わなければ、こうはならなかった」と後で思われることへの恐れが、沈黙を選ばせることがある。

関係が壊れることの定義

「関係が壊れる」という言葉の意味は、人によって異なる。口をきかなくなること、険悪な雰囲気になること、法的な争いに発展すること。どの程度のことを「壊れる」と捉えるかは、人それぞれである。

その定義が曖昧なまま、漠然とした恐れを抱いていることがある。

話さないことで関係が保たれているように見える

相続の話を避けている間は、表面上、家族の関係は変わらない。集まりがあれば普通に話し、連絡も取り合っている。

その状態を見て、「話さないことで関係が保たれている」と感じることがある。しかし、その裏では、話し合われるべきことが先送りされている。

いつかは話さなければならないという認識

話題を避けていても、いつかは話さなければならないことは分かっている。その「いつか」がいつなのか、決められないまま時間が過ぎていく。

先延ばしにするほど、話し合いへのハードルは高くなる。話さなかった期間が長いほど、「なぜ今まで言わなかったのか」という問いが重くなる。

結びに

関係が壊れることへの恐れは、相続の話を避ける理由としてよく見られる。しかし、話さないことで関係が保たれているかどうかは、外からは見えにくい。沈黙の中で、何かが少しずつ変化していることもある。


参考情報
法務省:相続に関する手続きについて